市中引き回しの刑

こういったニュースを見ると、上海の華やかさが局所異常なだけで、現実には中国のほとんどの地域で社会的な歪みが生じていることを改めて認識させられます。
一歩地方へ出れば、そこには社会主義国家の腐敗臭が充満しています。

人々の怒りの背景には、売春をせざるを得なかった女性たちの境遇への同情がある。中国で風俗産業に従事する女性は推計600万−1200万人とされる。多くが貧しい農村からの出稼ぎ組で故郷の親兄弟に仕送りしている。売春の元締めの黒社会からは稼ぎをピンハネされ、社会からは白い目が注がれる。しかも、本来違法であるはずの風俗産業の経営には公安当局者の後ろ盾があるケースが多いのだ。このため「売春婦でもうけている公安が売春婦を取り締まる」ことへの反発も噴出している。今回、深セン市で売春婦の集中取り締まりが行われた地域は2年以内にホワイトカラー向けの高級住宅地に再開発される予定という。金持ちのため社会の底辺であえぐ売春婦が虐げられる構図も同情が広がる理由になっているようだ。