黄石と黄色

私的事情により、先々週末、先週末と中国の地方都市、黄石市に来ております。
黄石市は列車だと上海から9時間ぐらいの内陸部の小都市です。
中国の沿岸部の大都市は外資・外国人が入り込んでいるため、様々な形で都市が外国文化・習慣の影響を受けているのに対して、内陸部のほとんどの地方都市は無外資の純正中国のままです。


そりゃー、もう、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、全てが汚いの一言です。
それがどれだけ汚いかはまた別の機会に伝えるとして、今日は中国の別の事実を伝えたいと思います。


中国では「スケベ=黄色」という表現があり、黄色を使って性へ対する軽蔑を表したりもします。
中国は、一応国としては性に関する取締りを厳しくしているように見えます。
例えば、ネット上で性的な描写は国によってフィルターが掛かっているので、中国国内から海外のアダルトサイトにアクセスはできません。国内でそのようなサイトを運営すれば間違いなく逮捕されるでしょう。
また、日本のようにコンビニでほとんど丸見えの週刊誌やアダルト雑誌を簡単に買えたり、DVDレンタルでアダルトDVDを手軽にレンタルもできません。
また、中国内で買春で捕まった外国人のパスポートには、その旨の烙印が押され、以降の国内入居を厳しく規制されます。(パスポートを新しくすると、烙印は効力を失うようですが)
そういった国内のメディアに対してや海外に対しては確かに規制しているように見えます。


さて、実際の国内の事情はどうかと言いますと・・・、ほぼ正反対のようです。
法的な建前云々は別として、実際に中国にいる実感として、買春・売春は普通のこと、常識、当然でしょ!?、合法、といった感じです。
少なくとも、買春・売春に対して、双方ともにやましい行為という認識は無いんじゃないかなとよく感じます。


中国では二つのパターンがあります。
一つは、生活するために必要なお金を稼ぐための売春。
売春宿であったり、ホテルのサービスとして、サウナ・マッサージのサービスとして、電話の宅配であったりと、とにかく中国国中で見かけます。
例えば、↓は黄石のとある大通りを撮った写真です。汚いですが、地方ではいたって普通のビルです。
Huangshi City, China (1)
Huangshi City, China (2)


この写真を撮ったのはお昼時でしたが、客待ちをしているお姉さま達が見えます。彼女達はここで寝泊まりしていて、基本的に寝ている時とご飯を食べる時以外は営業しています。
海外への玄関の上海や中国の顔である北京では、こういった売春宿はある通りに集中していたり、もう少しひっそりしていたりはしていますが、
地方の純正中国へ来ると、こういった売春宿がコンビニ感覚で到る所にあります。(逆にコンビニは存在しませんが)
中国人から話を聞くと、地方政府はこれら売春宿を正式に認可しているとのことでした。


と、このパターンはどこの国でもよくある話なのでこれぐらいにして、もう一つのパターンの方がずっと厭らしい。
日本の援助交際社会主義国家バージョンといった感じでしょうか。
今更ですが、社会主義国家では基本的に全ての物は国に属しています。中国では一党独裁なので、全ての物は党に属しています。
これを全ての人民に平等に分配するのが社会主義の理想なのでしょうが、人間がオペレーションしている限り、当然それはあり得んでしょ。
という訳で、解放されている一部の沿岸都市を除き、中国のお金持ちはビジネスを成功させたのではなく、何らかの権益、党に繋がる人脈を持っている人になります。
この人種にとってお金は自分で苦労して稼いだものではないので、使う分にも何ら躊躇がありません。自分の欲望の赴くままです。


それに対して、何ら権益、人脈を持たない多くの一般人民は基本的に一生貧しいままです。
ということを若い世代も理解しているので、一生懸命勉強して海外へ出るチャンスに掛けるか、国内で何らかの人脈を得られるように努力することになります。
これを若くて綺麗な女性が実行しようとすると、一番確実なのはお金持ちの中国人男性の愛人になる、ということになるようです。
その結果、大学の下校時間には大学の門の外に多くの高級車が、若くて綺麗で成績優秀、将来有望な女子大学生の出待ちをしていることになります。
もう少し説明しますと、彼女達は貧しい訳でもなく、学費に困っている訳でもなく、将来が閉ざされている訳ではありません。
彼女達は将来への選択肢として、自分をお金持ちに売る、つまり愛人になることを選んでいるようです。
男性の方は苦労して稼いだお金ではないので、若くて可愛い愛人にバンバン貢ぎます。
服、貴金属から家も用意しますし、高級車で下校を迎えに行きます。(または運転手が迎えに行きます)
それら学生の中には、下校時に迎えに来る彼氏の高級車の自慢比べをしている話も聞きます。


以上のような実情は意外と外国人は知らなかったりしますが、今の中国では常識のようです。
昔は国全体が貧しかったのが、今や中国は巨額の貿易黒字を持つお金持ち大国です。
中国の多くの会社は政府の末端なので、お金は中国人民に行くのではなく、中国政府に集中する図式です。


このようなお金の流れの歪みと、売春・買春に対してあまり厭らしい行為という認識の無いことが相まって、
特に地方では、お金があれば女を買うのが常識ということになった、ということでしょうか。。。