「技術立国」日本、ということを忘れていませんか?

お盆を理由に日本でゆっくりしていました。
Tokyo Metropolitan Government Blvd

しかし、
ビジネス誌や新聞に目をやると、どこもサブプライムサブプライムサブプライムサブプライムサブプライム・・・ですし、「世界の経済が後退し始めた」とか「これから戦後最悪の不況が来る!」なんてのもありました。
そして、TVを付ければニュースもOlympic以外は「アーバンコーポレーションが破綻だー」「次の破綻はどこだー」って感じです。
もうウルサイよ、君達。なんで、そんなに浮足立っているの?
日本は本当にそんなにヤバい状況なんですか?
外から見える日本は全然そんなにヤバく見えないんですけど?
日本にいるくせに日本が見えなくなっているんじゃないですか?


そもそも論ですが、日本は「技術立国」ですよね。
原油立国でなければ、農業立国でもなく、金融立国、カジノ立国、IT立国、観光立国、不動産立国、タックスヘブン立国のどれでもありません。


中国には公称13億人、戸籍のない人民を含めると15億人以上の人資源と、その広大な国土に眠る鉱物資源、そして自給自足可能な農地、云々、資源に溢れる国です。
対して、日本の国土はキュウリのような不便な形で中央は山ばかり、掘っても掘っても出てくるのは温泉ぐらいです。物的資源が皆無です。
そんな国が、1家に車1台は当たり前。誰もが海外旅行に出かけ、都心には高層ビル、高層マンションが立ち並び、挙句の果てにはバブルが“弾けられる”ぐらいまで豊かになったのは、なんのおかげですか?
それは日本に「技術」という資源があったからです。そうではないですか?
もし、日本に技術がなければ、今頃は東南アジアの多数のよくある国の一つでしたよ。
せいぜい東京に「日本初めての高層ビルが立ちました!」って感じで、人々は昔ながらの木造長屋に住み、主は農業と工芸品作り。そして、一番の産業は観光業でしょう、きっと。外国から見た日本は
「歴史を感じさせるエキゾチックな街並みで(国中が長屋ですからね〜)、温泉とヘルシーな日本料理が格安で楽しめる(1ドル=800円ぐらい?)、アジア有数の観光地
となっていたでしょう。
ある意味、そうであったなら過去にバブルも弾けなかったし、今、話題のアーバンコーポレーションなんて企業そのものが存在していなかったでしょう。だから、そんなに騒ぐこともなかったかも。


でも、日本人の職人気質がゆえに高い技術力を持ってしまった。その結果、「Made in Japan」のあらゆる商品が世界中で売れに売れ、お金が日本に雪崩れ込んで来た。その結果、国が豊かになり、賃金が上がり、地価が上がり、海外から投資を呼び込み、金融もここまで強くなった。
でも、全ての根っこはそこに技術があったからこそです。


で、僕が久し振りにお盆を日本で過ごしていて感じたのは、皆がすっかり豊かであることに慣れきって、まるで自分達の国が経済大国であることが当たり前で、だから不況が来るとやばい、みたいな。

でも、外から見た日本はまだまだ全然強いですよ。強いというのは、技術が強いという意味です。特に、これから本当にエコの時代が来るなら(中国にいるとまったくそんな気がしないもので)、ますます日本の独壇場じゃないかという気がします。だって、限られた資源を最大限に有効活用するのは昔から日本のお家芸でしょう?

光、バイオ、いや、仮に原子力に戻ったとしても、そこには日本の技術がしっかり押さえています。

そういう意味で、今、本当に日本が心配しなければいけないのは後に続く技術者の育成です。現場で技術の一番の勘所を抑えた技術者の方々がどんどん高齢化されて、それをいい形で次の世代へ受け継いでいかなくてはなりません。また、男の子が将来なりたい職業にも、TOP3はサッカー選手、野球選手、芸能人だとしても、5番か6番ぐらいには「技術者」と書いてもらえるように、社会全体で技術者はカッコイイんだぞというイメージを作るべきです。

TVでたぶん有名などっかの経済学者が行ってました「不動産は経済の一番の根っこで、そこの価値が下がると全ての分野に影響出る」みたいな。
経済学的には正しいかもしれませんが、日本については間違っています。日本の地価が高いのは世界が日本にそれだけ技術を期待してからでしょう。本来、極東のこんなへんぴな土地、誰も相手にしませんよ。
日本という国が本当に傾く時は技術が弱まった時です。それ以外にはあり得ません。
だから、そんなに浮足立つな。

オリンピック開幕

ありえないことに、中国にいるくせに北京オリンピック開幕のその瞬間を見逃しました。
2008年8月8日8時、私は大画面の液晶TVが3台も設置されているくせに1台も映らない中華料理レストランで料理を待っていました。当然、お客の姿もまばらです。
心ここにあらずの状態で食べ終えて、すぐに衡山路のO'Malley's Irish Pubへ移動。開幕式が長かったおかげで中盤から参加でき、やっと雰囲気を楽しむことができました。

日本選手団の入場の際にも場から拍手が(少なめですが)あがっていました。

北京の空が碧い(updated)

芝生を青々とさせるために緑色のスプレーを撒くのに対して、北京の空を碧くするためにとった行動は至って正攻法でした。1ヶ月前より市内全てで工事禁止。7月20日よりタクシーを除く一般車は日替わりで偶数ナンバー、奇数ナンバーを規制。その効果は顕著で、今まで来たなかで北京の空気は最も良かったです。これならオリンピック選手もマスクは不要でしょう。
Blue sky in Beijing 2008
晴れ渡る北京の空。
Blue sky in Beijing
普段はこんなに汚いGoogleビルの空も、
China Google
今はこのように視界良好です。
China Google before Olympic
通称「鳥の巣」のメインスタジアム。間近に見るとメタリックな印象です。

聖火をモチーフにしたオリンピックビル。

完成間近の中国中央放送の本社ビル。

主要道路の左斜線はオリンピック専用レーンです。6-24時は一般車は通行できません。
Olympic lane
さすがの中国人もこのルールだけは守っているようです。国の面子がかかっていますもんね。
Olympic lane
北京空港でも綺麗な夕日の空を拝むことができました。
At Beijing airport
シャットダウンが必要な搭乗画面。さすが中国、いつもオチがあって面白い。でも、いい加減にWindowsベースのシステムをやめたら?
Shutting down boarding

オリンピック直前、青島

よりによって、この時期に青島と北京への出張です。青島もオリンピック・ヨットレースの開催地です。
最近の中国国内は爆弾テロや相次ぐ警官の殺人で相当ピリピリしています。当然、空港のセキィリティも厳重で飛行機に乗るまでにチェック、チェックで非常に時間が掛かります。でも、1年に50回以上国内線に搭乗する私は優先チェックインができるので、こういう時には本当に助かります。というわけで、比較的スムーズに青島まで無事到着。
青島空港から市内への高速道路は綺麗に清掃され、中央道には延々と花が続きます。そして、オリンピックムードを盛り上げる数々のデコレーション。



無事に青島での仕事を終え北京へ移動しようとしたら、青島空港が雨漏りしていました。「That's China Quality」と言ってしまえばそれが全てですけど、今年完成したばかりの新ターミナルで、しかも青島でのオリンピックの玄関口なのに、それがいきなり雨漏りとはちょっと情けなさ過ぎませんか?
Qingdao Airport