妊婦の行進

意外と外国人は知りませんが、中国人にとって中国のパスポートを脱することは何にも変え難い「夢のまた夢」です。中国のパスポートを持っている限り、自由に海外に出ることはできません。ビザを申請しようにも、認可を受けるまでに審査で数ヶ月は要しますし(結果、ビザが認可されないことも多々)、個人旅行の場合には団体でなければ許可が出ないことが通常です。気ままな一人旅なんてあり得ません。そのため、日本人のようにパスポート一つでビザ無しで気ままに好きな外国へ行ける事を、(おそらく皆さんが想像している以上に)中国人は恨めしく(羨ましく)想っています。上海の不動産高騰のおかげで、??億円持っている上海人が沢山いて、ポルシェ・カイエンSなどを乗り回していますが、彼らにしてもパスポートに関しては同じ状況です。
そんな中、自分達の子供には中国以外の道を与える比較的容易な方法があります。それがこちらです*1

15日付の香港各紙によると、香港政府は、中国の大陸から妊娠した女性が香港を訪れるのを禁じる方針を固めた。ここ数年、香港で出産する大陸出身者が激増し、社会問題化していた。
香港が中国に返還された以降の法律では、両親ともに大陸出身でも、香港で出産すれば、子供には居留権が与えられる。こうした子供は今年1月から10月までに約1万2000人に上り、5年前の約20倍に達した。香港で生まれた新生児の3人に1人が大陸の母親が出産した計算。
香港の産婦人科病院はここ数年、慢性的にベッドが不足状態で、先月には地元の妊婦らが大きなおなかを抱え、デモ行進する事態にまで発展している。

*1:中国と香港とは別パスポート